EORは仲介業者を経由する場合もある?ICPとアグリゲーターモデルの真実
海外展開やリモートワーカーの採用において、自社で現地法人を作らずに海外人材を即座に雇用できるEOR(雇用代行サービス)は、いまや企業の成長に欠かせない強力なインフラです。しかし、導入を検討する企業の前に、一つの疑問が浮かぶことがあります。「EORプロバイダーは、世界中のすべての国に自社のオフィス(法人)を持っているのだろうか?」という問いです。本記事でその答えと、選定時に見るべきポイントを解説します。
結論:EORは「仲介業者(ICP)」を経由する場合がある
結論から言うと、答えは「ノー」であり、EORは「仲介業者」を経由する場合があります。世界には約200の国が存在しますが、そのすべてに一社で自社法人を設立・維持するのは現実的に不可能です。そのため、多くの大手EORプロバイダーは、自社オフィスがない国においては、現地の法律や労務に精通した「イン・カントリー・パートナー(ICP)」と呼ばれる地元のEORプロバイダーと提携する「アグリゲーター(集約型)モデル」を採用しています。
「仲介業者」がむしろ強みになる理由
「仲介業者」と聞くと、サービスの質が落ちるのではと不安に思うかもしれません。しかし、これこそがEORのもう一つの「良さ」の裏付けです。現地の複雑な労働法や独自の社会保障制度、目まぐるしく変わる税制に最も強いのは、ほかならぬ「その国で長年実績を積んできた地元の専門家」です。グローバルEORが信頼できる現地パートナー(ICP)とタッグを組むことで、企業は世界中のマイナーな市場であっても、最高レベルのコンプライアンスとスピード感で安全に人材を雇用できます。
ダイレクトモデルとアグリゲーターモデルの違い
EORには大きく2つの体制があります。違いを理解しておくと、重点国での選定がぶれません。
- ダイレクト(自社直営)モデル:プロバイダーが自社法人で直接雇用。管理の一貫性・データ保護・対応スピードに優れる。
- アグリゲーター(集約型)モデル:ICPを経由して雇用。対応国の広さに優れ、ニッチ市場にも進出できる。
どちらが優れているかではなく、進出先の国でそのプロバイダーがどちらの体制を取り、どこまで品質と責任を担保できるかを見極めることが重要です。
ICP経由のときに確認すべきチェックリスト
- 重点国が「直営」か「ICP経由」か。
- ICPの選定・監査基準と、トラブル時の責任の所在。
- 給与・個人情報データの管理体制と、セキュリティ基準。
- 問い合わせ窓口が一本化されているか(自社が複数業者とやり取りしなくて済むか)。
よくある質問(FAQ)
Q. ICP経由だとコンプライアンスは大丈夫ですか?
信頼できるグローバルEORは、提携するICPを厳格に審査・管理しています。むしろ現地の専門家が対応するため、複雑な現地法令への適合性は高まります。
Q. 自社が進出する国が直接雇用かICP経由かは確認できますか?
確認できます。重要な拠点については、対応体制をプロバイダーに事前確認することをおすすめします。
Q. 窓口が複数になって煩雑になりませんか?
アグリゲーターモデルでは、契約と問い合わせの窓口はグローバルEOR側に一本化されます。裏側で各国のICPが連携するため、企業側は一つの窓口で完結します。
まとめ:労務ネットワークの一本化こそ価値
EORの本質的な価値は、自社オフィスの有無という物理的なネットワークの広さだけではなく、国境を越えた「最適な労務ネットワークを一本化して提供してくれること」にあります。窓口は一つでありながら、その裏側では各国のプロフェッショナルが連携しているため、企業は複雑なサプライチェーンを意識せず、安心して世界中から優秀な才能を迎え入れられます。グローバルなEOR体制について相談したい方はINS Globalへお問い合わせください。
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